第1話 名刺編
名刺の英語表記をはじめ、ビジネスなど名刺交換の場で役立つ豆知識や
名刺の歴史をご紹介いたします。
名刺は相手の方の手元に残るお客様の「顔」。
ビジネスや社交の場面で初対面の方との名刺交換は基本のマナーで、名刺交換はビジネスマナーとして定着しています。
ここでは、名刺作成時に役立つ英語表記をはじめ、今さら聞けない名刺交換の知って得するマナーや名刺の歴史に関する豆知識をご紹介します。
英語による名刺の記載方法
自分の名刺であっても英語表記は意外に馴染みが薄いもの。
ここでは、ビジネスシーンでよく使われる英語表記をご紹介いたします。
名刺の裏面印刷で入力いただく参考情報としてご活用ください。
※国により組織の形態が違うため、会社、役職などの表記の解釈が異なる場合がございます。
表記の一例としてご認識ください。
会社の表記
有限会社(米国) | Corporation(Corp.), Incorporated(Inc.) |
---|---|
株式会社(米国) | Corporation(Corp.), Incorporated(Inc.) |
合名会社 | General partnership(corporation) |
合資会社 | Limited partnership(corporation) |
部署の表記
本社 | Head office |
---|---|
支社 | Branch Office |
営業所 | Sales Office |
出張所 | Liaison Office |
社長室 | Office of the President |
営業部 | Sales Department |
総務部 | General Affairs Department |
企画部 | Planning Department |
広報部 | Public Relations Department |
人事部 | Personnel Department |
法務部 | Legal Department |
財務部 | Finance Department |
経理部 | Accounting & Finance Department |
商品企画部 | Product Planning Department |
商品管理部 | Product Administration Department |
商品開発部 | Product Development Department |
検査部 | Inspection Department |
物流部 | Logistics Department |
肩書の表記
会長 | Chairman |
---|---|
副会長 | Vice Chairman |
社長 | President |
代表取締役 | CEO |
副社長 | Executive Vice President |
専務取締役 | Senior Vice President |
役員・取締役 | Director |
顧問 | Adviser |
部長 | Vice President |
次長 | Deputy Manager |
課長 | Manager |
係長 | Manager |
主任 | Assistant Manager |
電話番号の表記
携帯電話 |
Mobile Phone, Mobile |
---|---|
電話 |
Telephone, Tel, Phone |
FAX |
Facsimile, Fax |
フリーダイヤル |
Toll Free Telephone Service, Toll Free |
住所の表記
住所を英語で表記する際には、日本語で住所を書く場合の逆の順序(番地→町名→市→県→郵便番号→国)で記載します。また、「都道府県」「市」「町」の部分は、日本語の読みをそのまま書いても、英語に置き換えてもかまいません。英語での住所表記については、例を用いてご紹介いたします。
例)
〒615-0007 京都市右京区西院上花田町4
↓
4, Saiinkamihanada-cho, Ukyo-ku, Kyoto, 615-0007, Japan
名刺マナーに関する豆知識
名刺を差し出す
名刺交換は必ず立って行います。名刺は胸ポケットなどいつでも取り出せる場所に入れておくと便利です。
名刺交換の順序は目下の人から先に差し出します。取引先に訪問した場合は訪問者から先に名刺を差し出します。
また、相手が読みやすいように、相手の胸の高さに合わせ、自分の名前を相手側に向けて差し出します。そのとき名刺は右手で持って左手は軽く添えるとよいでしょう。
名刺を受け取る
相手から名刺を受け取るときは左手で受けて右手を添えます。この際に胸のあたりで受け取るのが基本です。また相手の会社名、お名前などに手が掛からないように名刺の角を持ちます。受け取った際には相手の名前を確認します。もしこの時、先方の漢字が読めなかった場合、読み方を確認しましょう。また、名刺を受け取った後テーブルの上に置いたまま会話が進むことがありますが、先方の名前や肩書をしっかりと覚えたら、タイミングを見計らい、名刺入れにしまいましょう。
知れば面白い!名刺の歴史エトセトラ
名刺の起源は中国から
今や名刺は、世界中で使用されている各国共通の文化になりつつあります。
では、名刺は世界中で使用されるようになるまで、どの様な歴史を歩んできたのか…。
まず、名刺の起源は中国からと言われており、唐の時代(7~10世紀)の書物にも登場しています。
中国官僚社会では、地位のある人にお目にかかる際の、取り次ぎに使用されたり、正式な席に欠席する際に挨拶に代えることにも用いられていました。
また、当時は紙がなかったので、木や竹の札を使用していたと言われ、この木や竹の札に自分の姓名を記して、訪問先が不在時に戸口に刺して訪問したことを知らせていました。
そして、このような木や竹の札を「刺」と呼んでいたことから、「名刺」という呼称が始まりました。
日本での名刺の歴史
日本で名刺が使用されるようになったのは、江戸時代から。
和紙に墨で名前だけを手書きしたものを、訪問先が不在のときに訪問したことを知らせるために使用されていました。
また、印刷された名刺と使うようになったのは、幕末開国(1860年代)頃からで、役人たちが外国人と接するために使用したのが始まりだと言われています。
明治時代以降には、より盛んに名刺が使用されるようになり、現在にいたっています。